2011-08-30

「TODD SNYDER」12SS


 「TODD SNYDER」の12SS展。

テーラーで服作りの基礎を学んだ後、「Polo Ralph Laulen」で修業。
「J.CREW」のメンズ・ヘッドデザイナーに就任した後は、
なんとなく野暮ったかった同社のメンズウエアを文字通り一新しました。
「The Liquor Store」 とか行ったことありませんが、オープン当初は大きな話題になりましたね。

J.CREWは1992年に日本に上陸。
当時は渋カジが消滅した後で様々なスタイルが混在している時期でしたが、
POPEYEが仕掛けた「ニュースポーツスタイル」や「ナチュラルスタイル」にハマる
ブランドとして結構もてはやされてた印象があります。
自分も持ってましたが、ヘムがくるりんとなったロールネックセーターがとても流行りましたね。

1992年以降、レナウンは大きすぎず小さすぎないのんびりとしたスタンスで
同ブランドを展開してきましたが、2008年に撤退しています。
当時の同社の経営状況を思えば致し方なかったのかもしれませんが、
これは本当にもったいなかったと思います。
The Liquor Storeでブランドイメージがが大きく↑ったのとすれ違いでしたし、
日本では久しぶりのアメカジブームが到来しつつありました。
まぁ、後出しじゃんけん的な話ですが。

話が脱線しましたが、元に戻します。
F&Eの私物公開とかを見ている限り、
TODDはとても日本人的な感性を持った人のように思います。
往年のアメリカの逸品に対するスタンスが日本人のデザイナーに近い感じがするんですね。
「RED WING」や「Alden」とのコラボなんて、典型的な日本人デザイナー的思考だと思ふ。

そんなTODD自身のレーベルは、いっけん驚くほどそっけなく見えます。
ばりばりのビンテージレプリカでもなく、強烈なクオリティがあるわけでもなく、
アメリカ製にこだわっているわけでもない。
コレクションを一通り見た後の印象は、正直...でした。
いくつかのピースを除き、商品からいまいち覇気が伝わってこなかった。


SOUTHWICK社製のベージュのコットンスーツもぱっと見はホント色気がない。
けれど、着てみると、洗練とリラックスが同居した最旬の服に変身!
このスーツやタキシードスーツはアンコンストラクテッド仕様で、
SOUTHWICKの歴史上はじめての試みなんだそうです。


コレクションに占める割合も多く、本人のこだわりが感じられるシャツは、
良い意味で無国籍な仕上がり。
小さめの襟が可愛いイギリスのTHOMAS MASONの生地のドレスシャツや
リネンのウォッシュドシャツ、洗いざらしのコットンのチェック柄のシャツ、
浜松のオックスフォード生地のボタンダウンシャツなどよりどりみどりです。
これらも見るより着たほうが全然良いです。


一番心を鷲掴みされたのが、この何の変哲もないヘンリーネックシャツ。
来春までに肉体改造に成功したら、ぜひ1枚で着てみたいです。


NYに実在するショップのロゴTライン「Speakeasy」も良い感じ。
こっちは分かりやすく人気がでそうですね。

というわけで、TODD SNYDERは着てみて初めて良さが分かる服です。
1stコレクションがぼちぼちお店に並び始める頃なので、ぜひ試着してみてください。

2011-08-09

「White Mountaineering」Flag Shop 表参道

White Mountaineering」Flag Shop 表参道のオープニングにおじゃま。
場所は表参道ヒルズの裏のこのあたり

表参道ヒルズの裏というのがこのブランドらしいですが、
ショップ自体はドメの直営店にありがちなこじんまりとしたものではなく、
インポートのハイブランドに遜色ない広さと雰囲気があります。
かなり勝負したなーというかんじ。

11AWは震災の影響でショーは中止となりましたが、
ランウェーを模したイメージと映像を作ってくるあたりは流石。
 テーマは「WILDERNESS OUTFITTERS」で、
和訳すると“荒野の洋服屋”といった感じでしょうか。
いつもよりサファリや土臭さを感じさせるアイテムが多い印象です。


都会的な雰囲気と土臭さが同居したシャツ。
肩のガンパッチが良いアクセントになっています。


エレガントな細かいピンタックとくるみボタン、
ラギッドなラグラン風のヨーク、
ハイテクなアウトドアブランド風の襟裏の別布使いと、
様々な要素が渾然一体となったシャツ。
ホントこのブランドのシャツは独創的で、他にないものを作りますね。


冬の乾いた大地に似合いそうな迷彩シャツ。
最近ちょっとサファリ風のアイテムがキテるような気がしますよん。

自分にとってサファリと言えば、
なんといっても「バナリパ」のアニマルプリントTシャツ。
5000円超の価格は高校生の自分には高すぎましたが、
やっと手に入れたキリンのTシャツを大事に着ていた思い出があります。
それとセットで流行った「ハンティングワールド」のバチュークロスのバッグと
「バスク」のトレッキングシューズは全く手が出ませんでしたが...(=_=)

そういえば古着屋でバナリパのアニマルTをあまり見ない、というか見たことない。
書いてるうちに欲しくなってきたので、ヤフオクで探してみよっと^^

2011-08-05

「SIDE SLOPE」12SS

SIDE SLOPE」の12SS。

相変わらずのニット技術見本市っぷり。
驚くほど複雑なことをやってますが、それをさらっと見せるのがこのブランドの持ち味。
色使いもメンズブランドとしては驚くほど大胆ですが、
作りがしっかりしているからなぜか気張った感じにならない。
リラックスしてお洒落できる服ってありそうでなかなかないです。

デビュー当初からニットの本場、イタリアで高い評価を受けていますが、
もっともっと世界中に広まってもいいと思います。
ここのニットを着ていると、デザイナーと外国の方からえらく感心されますし。


インナーの半袖Vネックは、
それぞれの色を1回ずつのインクジェットで染めたもの。
色の重なる部分と手作業ならではのズレが良い味わいを醸してます。

ケーブルカーデはリネン79%×コットン21%のザラっとした質感。
同じ型で、通常では廃棄する「デニムの耳」を糸として使用した、
コットン57%×リネン43%のやつもあります。


ワキサカさんの色魔術師っぷりが炸裂しているカーティガン。
型は11SSでも人気だったもので、僕もこれのネイビーを着まくりました。
当然コレもオーダーしちゃいました♡
ロイヤルブルーのPIERRE HARDYのデザートブーツか、
薄いピンクのSUPERGA2750を合わせて着たいです。


ペンキを大胆に叩き塗りしたような雰囲気のカーティガン。
ニットをキャンバスにした絵画みたいですね。
先週末に収穫した西瓜にも見えますけど...^^
色違いのブルー系もあります。


こちらは11AWから展開するスタンダードライン。
待望のベーシックなサイドスロープで、Vネックとカーディガンがあります。

糸は17.5マイクロのスーパー120's。
糸自体のキックバックがあって型崩れしにくく、毛玉がほとんどできない。
ピリング検査(摩擦の堅牢度)では、
通常の良い商品で2~3Qのところ、4~5Qの評価を受けたそうです。
「イタリアとかの糸も含めて、今まで見たウール糸のなかで1番」と仰ってました。

そんな自信作が、Vネック1万6000円、カーデ1万9000円で買えます!
自社ECをはじめ、バイズや伊勢丹のECなど、ネットを中心に今秋から販売します。
その着心地を早く確かめたいです(・゚-゚・)

2011-08-04

「ts(s)」12SS

ts(s)」の12SS展。

渋カジ世代の自分からすると、
デザイナーの鈴木卓爾さん=スタイリストで、
渋カジを雑誌から盛り上げた立役者のひとりというイメージ。
遠い世界の憧れの人でした。

当時はデビューしたての江口洋介と
見紛うくらいカッコよかったんです。
今は僕と同じメタボ体型ですけどね……^^

そんな鈴木さんも洋服を作り出してはや13年。
「TS1」から始まって、シーズンごとに数字を足して、10年たって「TS20」まできて、
「ts(s)」に変更してから3年。

シーズンを追うごとに熟成を重ね、
今では実兄の鈴木大器さんに比肩しうる
世界レベルの評価を受けつつあります。
12SSは、イタリアのピッティ・ウォモに加え、
NYでの展示会も始めたそうです。



ブランドの象徴になりつつあるマキシマムピッチのチェックは、今季はオンブレーチェックに。
遠目では墨をスプレーしたように見えますが、これはなんと織りなんです‼
セットのイージーパンツ、ショートパンツ、シャツもあるので、
セットアップで着たいですね。


昔のギャップのポケTみたいな丈で
裾にかけてAラインっぽく広がるTシャツ。
別売りの同布のスカーフを巻くと
シンプルながら存在感のあるスタイルに。


これを着るために海に行きたくなるような、リネンのストライプのジャケット。
こちらも同布のゆるめのクロップドパンツがあります。


キャンバスのアッパーにデッキシューズのソールを貼ったプレーントゥ。
履きこむと良いアタリがでそうです。

P.S.
昨日、大崎駅のトイレ(大)に入ったら、
使い古した炊飯器が置いてありました。
さぞかしお腹が減ってたんでしょうね、って違うか...