「TODD SNYDER」の12SS展。
テーラーで服作りの基礎を学んだ後、「Polo Ralph Laulen」で修業。
「J.CREW」のメンズ・ヘッドデザイナーに就任した後は、
なんとなく野暮ったかった同社のメンズウエアを文字通り一新しました。
「The Liquor Store」 とか行ったことありませんが、オープン当初は大きな話題になりましたね。
J.CREWは1992年に日本に上陸。
当時は渋カジが消滅した後で様々なスタイルが混在している時期でしたが、
POPEYEが仕掛けた「ニュースポーツスタイル」や「ナチュラルスタイル」にハマる
ブランドとして結構もてはやされてた印象があります。
自分も持ってましたが、ヘムがくるりんとなったロールネックセーターがとても流行りましたね。
1992年以降、レナウンは大きすぎず小さすぎないのんびりとしたスタンスで
同ブランドを展開してきましたが、2008年に撤退しています。
当時の同社の経営状況を思えば致し方なかったのかもしれませんが、
これは本当にもったいなかったと思います。
The Liquor Storeでブランドイメージがが大きく↑ったのとすれ違いでしたし、
日本では久しぶりのアメカジブームが到来しつつありました。
まぁ、後出しじゃんけん的な話ですが。
話が脱線しましたが、元に戻します。
F&Eの私物公開とかを見ている限り、
TODDはとても日本人的な感性を持った人のように思います。
往年のアメリカの逸品に対するスタンスが日本人のデザイナーに近い感じがするんですね。
「RED WING」や「Alden」とのコラボなんて、典型的な日本人デザイナー的思考だと思ふ。
そんなTODD自身のレーベルは、いっけん驚くほどそっけなく見えます。
ばりばりのビンテージレプリカでもなく、強烈なクオリティがあるわけでもなく、
アメリカ製にこだわっているわけでもない。
コレクションを一通り見た後の印象は、正直...でした。
いくつかのピースを除き、商品からいまいち覇気が伝わってこなかった。
SOUTHWICK社製のベージュのコットンスーツもぱっと見はホント色気がない。
けれど、着てみると、洗練とリラックスが同居した最旬の服に変身!
このスーツやタキシードスーツはアンコンストラクテッド仕様で、
SOUTHWICKの歴史上はじめての試みなんだそうです。
コレクションに占める割合も多く、本人のこだわりが感じられるシャツは、
良い意味で無国籍な仕上がり。
小さめの襟が可愛いイギリスのTHOMAS MASONの生地のドレスシャツや
リネンのウォッシュドシャツ、洗いざらしのコットンのチェック柄のシャツ、
浜松のオックスフォード生地のボタンダウンシャツなどよりどりみどりです。
これらも見るより着たほうが全然良いです。
一番心を鷲掴みされたのが、この何の変哲もないヘンリーネックシャツ。
来春までに肉体改造に成功したら、ぜひ1枚で着てみたいです。
NYに実在するショップのロゴTライン「Speakeasy」も良い感じ。
こっちは分かりやすく人気がでそうですね。
というわけで、TODD SNYDERは着てみて初めて良さが分かる服です。
1stコレクションがぼちぼちお店に並び始める頃なので、ぜひ試着してみてください。