「FACTOTUM」の12SSコレクション。
ショーはずいぶん久しぶりに感じましたが、2シーズン空いただけだったんですね。
次にショーをやるときは海外だと勝手に思っていたので、
いち有働ファンとして単純に嬉しかったです。
ショーをやってみた理由を問うと、
「震災後に皆で一体になって何かを発信したかったから」
「それを形にするにはショーという形が一番だと思った」そうです。
テーマは「SUNDAY AT THE PARK」。
アメリカのポートランドで盛り上がりつつある新世代のヒッピーにインスピレーションを受けてます。
数シーズン前までの民族調のコレクションとは一転し、
柔らかな雰囲気はそのままに、
かなりアメリカ寄りのナチュラルテーストにシフトしてます。
数シーズン前から始めたレディースとメンズを一緒に見せたのも、ちょっと驚き。
ファーストルックで、女子はマスキュリン、男子はフェミニンな服を着せることで
裏テーマである“シェア”を表現したそうです。
このあたりは震災がクリエーションにおよぼした影響を強く感じました。
洋服単体に目を移しましょう。
目立ったのは「パッチワークとクレイジーパターン」です。
デニムのブルーの濃淡で切り替えたデニムのセットアップや、
身頃や袖や襟の色柄を変えたチェックのクレイジーシャツとかが印象的でした。
品良くペンキを散らしたダメージデニム(フレア)や、
色を変えた薔薇の総柄のセットアップなんかも良かった。
レディースは今時の若い女子が着てそうなナチュラルな雰囲気でした。
全体的には「子供っぽすぎて大人は着れないね」なんて声も同業から聞かれましたが、
確かにここ数年のコレクションが好きだった人にはちょっと難しいかもしれません。
でもね。
僕は今回のショーを一生忘れません。
深く心に響き暖かい気持ちに、
そして前に向かおうという気持ちにさせてくれたコレクションでした。
1カ月近くたった今でも思い出すだけで力が湧いてくるんです。
都会的で飄々としたヒッピーの姿が今の日本の僕らと重なって見えたから。
これは僕の曲解かもしれませんが、
表面的にはさらっと現代のヒッピーを表現したように見えますが、
その裏にこの半年間の不誠実な数多の出来事に対する
有働さんの静かで強い怒りと意思を感じたんです。
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