2011-04-11

「beautiful people」11AW


beautiful people」の11AW展。
テーマは“rabbit fashion”で、ウサギをイメージしたトラッドを提案しています。

んっ? てほとんどの人が思ったかもしれませんが、
思わず抱きしめたくなるようなふわふわした質感をテキスタイルで表現したり、
雪の中のうさぎのような白だったり、
動物の中で一番繁殖活動を行うプレイボーイなイメージを洋服に落とし込んでます。

また、F&E的な男らしさを前面に押し出した“RUGEED fashion”への
アンチテーゼ的意味合いもあるそうです。

展示会場に入ると、4体のトルソーが迎えてくれました。
真ん中の2体は、一見たっぷりとしたシルエットの何の変哲もないドレスに見えますが、
これらは熊切さんら男性スタッフが自ら着て、男子目線で作ったドレスなんです。
さすがにこれを着て外に出ることはしなかったみたいですが、
♂のデザイナーが♀の服を作る上で、着てみて分かることが色々あったそうです。
とても深い~話だと思いました。

表素材はシルクデシンで、裏地は肌触りの良いカシミヤ混ジャージー。
プリントは東京の夜景柄で、武道館とか東京タワーがプリントの中に隠れています。
女子にタッチする口実になりそうで、たくさん売れることを切に望みます^^

個人的にぐっときたのが、キャメル色のダブルブレストのチェスターコート。
素材はスーパー160'sの極細ウールを2重織組織で織り上げたもの。
うっとりするような光沢と滑り感があります。安物のカシミヤなんかより100倍よい雰囲気。
2重織の生地を2枚に剥がしてからハンドメイドで形を作るリバーシブル縫製で、
仕立ても素晴らしい。



写真はありませんが、
「VAN」とのコラボ商品や、シークレットヒールのローファーも良かった。

2011-04-07

「KURO」11AW

ちょっと前の話ですが。
ショールーム「BLUES inc.」の11AW展。


今、ヨーロッパで話題の日本発のジーンズブランド「KURO」。
10SSでピッティ・ウォモで発表して、わずか4シーズンで
海外の卸先は70店舗(!)まで広がってるそうです。

All made in japanで、ワンウォッシュで13,000円から、凝った加工モノでも2万円代後半とお手頃。
作りは本格的ながら、これまでのレプリカ系ブランドやNBにはないモードな匂いがある。

プレゼンテーションの手法も、すごいの一言...


11SSでデビューしたレディースの靴ブランド「EXTRAORDINARY JANE」も良かった。
ほっこり系が主流のドメのレディースの靴にしては珍しく色気がありますね。
色の組み合わせも素敵。


2011-04-05

Fashionにできること

東北地方太平洋沖地震で被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

震災後、色々かんがえました。

生きるということ。
被災地と被災者のこと。
原発とエネルギーのこと。
日本という国のこと。
マスコミというもの。
自分と家族の身を守ること。
自分の将来のこと。
Fashionというもの。

今回あらためて痛感したのは、Fashionは平和があってこそ成り立つということ。
水や食料の確保が最優先の今は、身体を守るという意味での衣服の需要はあっても、
装うという意味での衣服は二の次三の次になってしまう...
ともやもやしながら、この2週間、様々なブランドの展示会を廻りました。

震災から3週間が経ち、
都内の百貨店やセレクトの売り上げは、予想以上に戻ってきているようですが、
今後しばらくは冬の時代が続くのは間違いないでしょう。
外資系のセレクトが2月オーダー分をキャンセルしているという話も聞きますし、
11秋冬の予算の絞り込みは業態問わず現在進行形で行われています。

そんな不安を抱えつつも、デザイナーたちは皆ポジティブでした。
魅力的な洋服とともに逆に励まされる毎日でした。 
今は必要とされなくても、Fashionが必要とされる時代は必ずまた来る。
その時代をもう一度作るには、それぞれが頑張って流れを止めないことが大切です。

自分の仕事は、素敵なブランドの存在を世に伝えていくこと。
更新のペースを上げていきたいと思います!